自動車解体とは?基本から手続きまでを解説

自動車解体とは、廃車となった自動車を分解し、再利用可能な部品や素材を取り出すことを言います。本記事では、自動車解体の基本知識、解体後の部品の行方、解体依頼の手順、廃車解体に必要な手続きなどについて詳しく紹介します。

 

 

自動車解体の基本知識

自動車解体について、具体的な解体の手順とその重要性について説明します。以下の基本を知っておくと、自動車解体について理解しやすくなるでしょう。

自動車解体とは何か?

自動車解体とは、使用済みの車両を分解し、再利用可能な部品や素材を回収する作業のことです。自動車は多くの部品と素材から構成されており、それぞれが異なる役割を持っています。これらの部品や素材は、適切に処理することで、新しい製品として再利用できます。

例えば、エンジンやトランスミッションなどの主要な機械部品は解体後、走行距離が短いなどの理由で状態が良く、分解修理が不要なものは中古部品として販売され、消耗や劣化した部品交換をはじめとした再生工程を経た部品はリビルト部品として再販売されます。

また、そのままでは再利用が難しい部品は、溶解・粉砕などを行い素材として再利用されます。例えば、金属部品は溶解され、鉄やアルミニウムとして再利用されることが一般的です。これらの素材は、新しい自動車や家電製品の製造に使われています。プラスチック部品は粉砕され、再生プラスチックとしてバンパーや内装部品などに利用されています。

 

さらに、使用済み車両から廃油やバッテリーなどを適切に回収して処理し、土壌や水質の汚染を防止します。このように、自動車解体は単に使用済み車両を分解するだけでなく、適切に処理・リサイクルを行うことで新たな原材料の採掘を抑制し、地球資源の持続可能な利用にも貢献する重要な工程です。

自動車解体のプロセスと方法

自動車解体のプロセスは、以下のステップで進行します。

車両の受け入れ

解体業者が車両を受け入れる際、所有者から車検証やリサイクル券などの必要書類を確認します。この手続きを通じて、法的に適切な処理が行われ、解体が正式に開始されます。車両が適切に処理されることで、所有者は還付金の手続きもスムーズに進められるでしょう。また、車両の引き渡し時にナンバープレートの返納が求められる場合があります。

廃油・廃液の回収

車両から排出されるエンジンオイルや冷却水、燃料などの廃液は、環境への影響を最小限に抑えるため、慎重に回収します。日本の自動車リサイクル法に基づき、解体業者が責任を持って処理を担当。これらの廃液は、専門の処理施設で処理して、土壌や水質汚染のリスクを低減しなくてはいけません。廃液処理は、環境保護においても欠かせないプロセスです。

フロン類の回収

車両に搭載されているエアコンには、フロン類などの有害物質が含まれています。これらは環境に悪影響を及ぼす可能性があるため、専用の設備で安全に回収しなくてはいけません。フロン類の処理は、日本の環境法規制に従って行われ、回収された物質は専門施設で処理します。大気中への放出を防ぎ、地球温暖化の防止にも役立ちます。

再利用可能な部品の取り外し

解体業者は、エンジン、トランスミッション、ドアなどの再利用可能な部品を慎重に取り外します。これらの部品は検査され、品質が確認された後に中古部品市場へ出荷されたり、再生工程を経てリビルト部品として販売されたりします。再利用によって部品の寿命が延びれば、新たな製品の製造に必要な資源を使用する必要がなくなります。再利用されない部品は、素材ごとに分別され、リサイクルに回されます。

素材の分別と破砕

解体が進むと、残った車体部分は破砕機で細かく粉砕します。この過程で、金属、プラスチック、ガラスなどが分別され、それぞれに適したリサイクル処理が行われます。金属は溶かされて再利用され、プラスチックやガラスも他の製品の材料として再生。分別と破砕の工程を通じて、リサイクルの効率が向上し、廃棄物の削減にもつながります。

リサイクルと再利用

分別された素材はリサイクル業者に引き渡され、金属やプラスチック、ガラスなどはそれぞれの特性に応じて、新たな製品の材料として再利用されます。新たな資源の採掘や製造に関わる影響が抑えられるのも、自動車解体のメリットです。

解体後の部品の行方

自動車解体後の部品や素材の再利用は、環境保護と経済的なメリットを生み出し、循環型社会の実現に向けた重要な要素です。以下では、具体的な部品の再利用方法とその影響について説明します。

エンジン、トランスミッション、タイヤ、バッテリー

解体された自動車のエンジンやトランスミッションは、走行距離が少ないなどの条件に応じてそのまま中古部品として再使用される場合もあります。そうでない場合、再生工程を経たリビルト部品として提供され、劣化した部品は新品に交換されるため、品質が確保されます。これにより、持続可能な部品供給が実現し、廃棄物の削減にもつながります。

 

タイヤやホイールも、状態が良ければそのまま再利用されます。特にタイヤは、トレッド(溝)が十分残っていると再使用されることが多く、ホイールも再塗装などのメンテナンスをした後使用します。

 

バッテリーに関しては、ガソリン車の割合が高いため、電気自動車(EV)のバッテリー数は少なめです。そのため、EVを含む中古バッテリーの需要が高まっています。使用済みのバッテリーは、内部を洗浄、充電した新品に近い状態にすることで再生バッテリーとして利用可能です。また、これらのバッテリーは、EV以外にも大型蓄電設備やバックアップ電源としても使用されています。

シートと内装パーツ

シートや内装パーツも再利用の対象として需要があります。これらのパーツは消耗品であるため、状態が良好であれば清掃や補修を施して製品化し、販売することが可能です。特に、高級車の内装パーツは品質が高く、他の車両への取り付けや修理用として国内外で人気です。再利用することで、新品パーツの製造に伴うエネルギー消費と資源使用が削減され、環境負荷も軽減されます。

金属、プラスチック、ガラス、電子部品のリサイクル

金属部品は、自動車解体後に取り外され、再生処理を経て新たな製品の材料として利用されます。特に鉄やアルミニウムは、再生後も高い品質が維持され、新しい車両や製品の製造に使われるのが一般的です。

 

加えて、需要が高い外装部品として、ボンネット、バンパー、フロントグリル、ヘッドライト、ドア、トランク、テールレンズ、ドアミラーなどがあります。

また、内部構造・エンジン回りのパーツも高い需要があり、コンプレッサー、オルタネーター、ターボチャージャー、ラジエター、サスペンション、ドライブシャフト、マフラー等が再利用されます。

 

プラスチックやガラスも粉砕されてリサイクルされ、他の製品の材料として再利用。電子部品やセンサー類は専門的なプロセスで分解され、貴重なレアメタルなどが回収され、新たな電子機器の製造に使われます。

リサイクルの環境への影響

リサイクルが環境に与える影響は、多岐にわたります。まず、再利用とリサイクルによって廃棄物が大幅に削減され、資源の有効活用が進みます。また、リサイクルプロセスを通じてCO2の排出削減にもつながります。

国内では中古部品市場が活発で、修理やメンテナンスに利用されています。特に信頼性の高い部品は需要が高く、海外市場への輸出も盛んです。日本製の中古部品は、その品質の高さから新興国でも高く評価されています。このように、リサイクル活動は環境面だけでなく、経済面でも重要な役割を担っていると言えるでしょう。

自動車解体を依頼する方法

自動車の解体を依頼する際には、信頼できる解体業者を選び、適切な手続きを行うことが重要です。以下のステップを参考に、スムーズに進めましょう。

ステップ1: 解体業者の選定

自動車の解体業者を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。適法で安全な解体には、国が認可したリサイクル工場を持つ業者を選び、リサイクルが適切に行われているか確認しましょう。

また、自社で施工を行う業者を選ぶのがおすすめです。下請け業者に依頼するタイプの業者には細かい要望が伝わりにくく、トラブルが発生した場合に、対応までに時間がかかるケースがあるため、万が一のことも考えておきましょう。

ステップ2: 見積もり依頼

解体業者を選定したら、次に見積もりを依頼します。この際、複数の業者から相見積もりを取ることで、価格やサービス内容を比較できます。見積もり時には、車両の詳細情報(車種、年式、走行距離)とともに、自走可能か、事故や故障の有無などの状態も正確に伝えることが重要です。車両の状態や解体の方法によって費用が異なるため、詳細な情報を提供し、適正な見積もりをもらうようにしましょう。

ステップ3: 必要書類の準備

自動車解体には、以下の書類が必要です。事前にこれらの書類を準備しておくと、手続きがスムーズに進みます。

普通自動車の場合

●基本的な必要書類

  • 自動車検査証(車検証)
  • ナンバープレート(前後2枚)
  • 所有者の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
  • 自動車リサイクル券

 

●申請書関連

  • 解体申請書(手数料無料)
  • 手数料納付書(手数料は不要だが添付が必要)

 

●その他の書類

  • 所有者の実印
  • 委任状(代理人が手続きを行う場合)
  • 一時抹消登録証明書(一時抹消登録後に解体する場合)
軽自動車の場合
  • 自動車検査証
  • ナンバープレート(前後2枚)
  • 印鑑(使用者と所有者のもの、個人の場合は認印可、法人の場合は代表者印)
  • 使用済自動車引取証明書
  • 軽自動車税(種別割)申告書(報告書)
注意点
  • 車検証に記載されている住所と現住所や所有者名が異なる場合は、変更内容が確認できる書類(住民票、戸籍謄本など)が必要
  • 車検の有効期限が残っている場合は、自動車重量税の還付を受けられる場合がある
  • 地域によって必要書類や手続きが若干異なる場合があるため、事前に最寄りの陸運事務所や軽自動車検査協会に確認する

ステップ4: 車両の引き渡し

必要書類が揃ったら、業者と車両の引き渡し日程を調整します。業者が自宅まで引き取りに来るか、自分で業者の指定する場所まで車両を持ち込むかはケースバイケースのため、事前に確認しておきましょう。引き渡しの際には、ナンバープレートの取り外しが必要な場合もあります。

ステップ5: 手続きの完了

車両が解体された後、解体業者によって自動車リサイクルシステムへ情報が入力され、解体報告日と移動報告番号が発行されます。この情報があれば、運輸支局で「永久抹消登録」の手続きを行えます。永久抹消登録を行うと、税金や保険料の支払い義務がなくなることに加えて、車検が残っている場合は重量税の還付も受けられます。忘れずに手続きを済ませてください。

廃車の解体の際に必要な手続き

廃車の解体は、使用不能または使用予定のない自動車を適切に処理するためのプロセスです。このプロセスは、単に車を解体するだけでなく、所有者が行うべきいくつかの重要な手続きが含まれています。

還付金の手続き

廃車の際、残存している自動車税や重量税の還付を受けることができます。手続きのタイミングが重要になるため、廃車後は早めに申請を行うようにしましょう。

自動車税は廃車手続き後、次年度までの期間が月割りで計算され、所有者に返還されます。一方、重量税は車検の残り期間に基づいて還付され、永久抹消登録を行わなければ適用されません。還付金が反映されるまでには、通常13ヶ月かかりますが、状況によって異なることもあります。また、軽自動車は還付が適用されない場合があるため、詳細は自治体に確認してください。

永久抹消登録

車が解体された後、車両の登録を永久に抹消するための手続きが必要です。この手続きを完了すると、車両は法的に存在しないものとみなされます。一時抹消登録でも自動車税や保険料の支払い義務はなくなりますが、重量税の還付を受けるには永久抹消登録が必要です。永久抹消登録は、車両が再び公道を走行することがないようにするための最終手続きであり、所有者の責任を完全に終了させるために行います。その際、ナンバープレートの返納や書類の提出や運輸支局での手続き必要です。また、この手続きを行わない場合、翌年度の税金が課せられることがあるため、注意しましょう。

手続きの代行

多くの解体業者は、所有者に代わり還付金の申請や永久抹消登録を行っています。運輸支局や軽自動車協会に12回訪れる必要があり、また書類の記入などに時間がかかるため、特に初めての方は業者に依頼するのが効率的です。ほとんどの方が書類の手続きも含めて依頼しているので、業者に任せた方が安心でしょう。ただし、業者によっては手数料が発生することがあるため、事前に確認しておくと良いです。複数の業者に問い合わせて、代行費用やサービス内容を比較するのもおすすめです。

自動車の解体を依頼する際に知っておくべきこと

本記事では、自動車解体の基本知識、解体後の部品の処理方法、解体依頼の手順、そして手続きに関する情報について紹介しました。自動車解体は、廃車となった車両を効率的に分解し、再利用可能な部品や素材を取り出すことで、環境保護と資源の有効活用につながる重要なプロセスです。

 

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