自動車リサイクル法とは?概要と仕組み、廃車時のリサイクル手続きの流れ

自動車リサイクル法は、2005年に施行された法律です。施行後、使用済み自動車のリサイクルと廃棄物の削減に大きく貢献しています。本記事では、自動車リサイクル法の目的や各関係者の役割、廃車手続きの詳細について解説します。

 

自動車リサイクル法の概要

自動車リサイクル法は、2005年に施行され、使用済み自動車のリサイクル促進と廃棄物削減を目的とした法律です。

施行の背景と目的

自動車リサイクル法が導入された背景には、使用済み自動車から排出される「シュレッダーダスト」の増加や、不法投棄の拡大といった課題がありました。シュレッダーダストは、自動車を解体・破砕した際に残るプラスチックやガラスなどの廃棄物のことです。これが埋め立て地の逼迫や自然環境への悪影響を引き起こしていました。

使用済み自動車の不法投棄は景観の悪化や地域住民への迷惑だけでなく、土壌汚染や水質汚濁など深刻な環境問題の原因となっていました。また、鉄スクラップ価格の低迷により使用済み自動車の処理がコスト増となり、所有者が処理を避ける傾向が拡大。結果として、適切な処理が行われないケースが社会問題となっていました。これに加え、エアバッグやカーエアコンに含まれる有害物質が不適切に処理されることで、大気汚染や人体への影響も懸念されていた背景があります。

こうした課題を解決するため、資源の有効利用と廃棄物の適正処理を徹底する仕組みとして自動車リサイクル法が整備されました。この法律により、環境保全と循環型社会の実現が進められています。

対象となる自動車

自動車リサイクル法の対象には、以下のような車両が含まれます。

 

・乗用車

・小型貨物車(軽トラックなど)

・大型トラックやバス

・特定の商用車

 

これらの車両については、新車購入時または廃車時に再資源化のための料金を支払います。この料金には、エアバッグ類の処理、フロン類の回収、シュレッダーダストの再利用に必要な費用が含まれます。支払われた料金は「自動車リサイクルシステム」に登録され、適切に管理・運用されるため、処理の透明性が確保されています。

 

一方、以下の車両は法律の適用対象外です。

 

・二輪車(オートバイ)

・農業用特殊車両

・建設用特殊車両

・公道を走行しない車両

・被けん引車

 

対象外車両については、自治体や関連団体が自主的なリサイクル方法を導入している場合があります。

詳しい対象車両や手続き方法については、自動車リサイクルシステムの公式ホームページをご参照ください。

 

参照:「自動車リサイクル法とは」(経済産業省)

参照:「よくある質問|自動車リサイクルシステム

自動車リサイクル法の仕組み

自動車リサイクル法は、自動車のリサイクルを促進し、廃棄物の適切な処理を実現するため、関係者である自動車所有者、製造業者(メーカー)、引取業者、解体業者などにそれぞれの役割を明確に定めています。それぞれの役割について詳しく説明します。

自動車所有者の役割

自動車所有者には、リサイクル料金の負担と使用済み自動車の適切な引き渡しが義務付けられています。新車購入時や廃車時に支払うこの料金には、フロン類の回収・処理費用、エアバッグの再資源化費用、解体やシュレッダーダストの処理費用が含まれており、これにより再資源化を経済的に支える仕組みが成り立っています。

廃車時には、所有者が使用済み自動車を都道府県知事の認可を受けた引取業者に引き渡します。引取業者から発行される「引取証明書」は、車両処理が適正に開始されたことを示す重要な書類で、所有者が保管しておくべきものです。この証明書は、後日処理状況を確認する際にも役立ちます。

自動車リサイクル法において、都道府県知事に登録された正規業者の利用は義務です。無許可業者を利用した場合、不法投棄や法令違反につながる可能性があります。そのため、法律に基づき、所有者は認可を受けた業者に使用済み自動車を引き渡しましょう。

自動車メーカーの役割

ここでは、自動車メーカーがリサイクル法で担っている役割について紹介します。

フロン類の破壊処理

自動車のエアコンに使用されるフロン類は、大気中に放出されるとオゾン層を破壊してしまいます。そのため、地球温暖化の原因のひとつです。メーカーは、フロン類を適切に回収し、専門施設で安全に破壊処理を行うことで、環境への影響を抑えています。

エアバッグの再利用

エアバッグは安全装置として重要ですが、使用済み後には特別な技術を用いた分解処理が必要です。メーカーは解体業者と協力し、エアバッグの再利用を進めることで、資源の有効活用を図っています。

シュレッダーダストの処理と再生

自動車の解体や破砕の過程で生じるシュレッダーダスト(非金属の破砕残さ)は、従来は埋め立て処分されることが多く、環境負荷が問題視されていました。しかし、近年の技術革新により、プラスチックやゴムなどの分離回収が可能になり、それらを再生材料として利用する取り組みが進んでいます。また、再利用が難しい成分についても焼却によって熱エネルギーに転換されるケースが増加。メーカーはこれらの技術を活用し、廃棄物を最小限に抑えながら循環型社会の構築に寄与しています。

 

参考:「自動車リサイクルの概要|環境再生・資源循環」(環境省)

参照:「自動車リサイクル法とは」(経済産業省)

リサイクル料金とは?その仕組みと使い道

自動車が廃車になる際には、環境保護や資源の有効活用を目的としたリサイクルが行われます。このリサイクルに必要な費用を所有者が負担するのが「リサイクル料金」です。ここでは、リサイクル料金の仕組みやその具体的な使い道について詳しく解説します。

料金の構成要素

リサイクル料金は、自動車を適切にリサイクルするためのさまざまな費用をカバーしています。料金の金額は車両の種類や装備内容によって異なり、一般的に6,000円から18,000円程度です。具体的には以下の項目の費用が含まれています。

 

項目

説明

フロン類の回収・破壊費用

自動車のエアコンに使用されているフロン類を回収し、破壊するための費用です。フロン類は環境に悪影響を与えるため、適切な処理が必要です。

エアバッグのリサイクル費用

エアバッグはリサイクルや廃棄の際に特別な技術が必要で、安全な分解と再資源化を進めるための費用が含まれます。

シュレッダーダストの処理費用

車両解体時に発生するシュレッダーダスト(破砕残さ)を適切に処理するための費用です。シュレッダーダストには金属以外の廃棄物が含まれ、環境負荷を軽減するための処理が行われます。

情報管理費用

使用済自動車のリサイクルに必要な情報を管理するための費用です。リサイクル工程や管理システムの維持に使用され、正確な処理状況を確認できる体制を整えています。

資金管理費用

預託されたリサイクル料金を安全に管理し、リサイクル作業が確実に行われるために使われる費用です。信頼できる団体によって料金が運用され、適切なリサイクルが支えられています。

 

詳しい各社のリサイクル料金は、各社ホームページでご確認ください。

 

参考:「関係機関リンク | 自動車リサイクルシステム

リサイクル券とは?

リサイクル券は、自動車リサイクル料金の支払いを証明する書類で、使用済み自動車の適正なリサイクルを進めるために必要です。ここでは、リサイクル券について解説します。

リサイクル券の概要

リサイクル券は、新車購入時にリサイクル料金を支払うと発行されます。発行後は、車検証と一緒に保管しておかなければいけません。リサイクル券には料金が預託されたことが記載されており、廃車手続きの際に必要になる場合があります。また、リサイクル料金の預託状況はインターネットで確認することができ、手続きの透明性が確保されています。この制度は、不適切な廃棄や環境負荷を防ぎ、資源の有効活用を促進することを目的としています。

リサイクル券を紛失した場合の対処方法

リサイクル券を紛失してしまった場合、再発行はできません。しかし、リサイクル料金の預託状況を確認すれば代わりに使用できます。自動車リサイクルシステムの公式ウェブサイトにアクセスし、車検証に記載されている車台番号や登録番号を入力すると、預託状況を照会できます。この確認情報を印刷すれば、廃車手続き時にリサイクル券の代わりとして提出可能です。紛失を避けるためにも、リサイクル券は大切に保管しましょう。

リサイクル料金の預託状況の確認方法

リサイクル料金の預託状況は、自動車リサイクルシステムのウェブサイトを利用して簡単に確認できます。車検証に記載されている車台番号や登録番号を入力することで、料金の預託状況が表示されます。このシステムは、リサイクル料金の適正な運用を担保し、リサイクルに関する手続きの簡便化を図る重要な役割を果たしています。必要に応じて印刷しておけば、廃車手続きなどでスムーズに対応することができます。

リサイクル券を含めた関連手続きや確認方法を把握しておくことで、車両のリサイクルが適正に進められるとともに、不法投棄や環境問題の防止につながります。

自動車リサイクル法に則った自動車の廃車手続き

日本では、自動車リサイクル法に基づき、廃車となった車両が適切にリサイクルされる仕組みが整っています。以下では、自動車リサイクル法に基づく廃車手続きの流れと、それぞれの工程に関わる業者の役割について解説します。

1.車両の引取り

引き取りの流れは、以下の通りです。

 

・使用済み自動車の引き渡し

・引取証明書の受領

・車両の次工程への引継ぎ

・安全な運搬の実施

 

廃車手続きは、まず使用済み自動車を引取業者に引き渡すことから始まります。所有者は、都道府県知事の認可を受けた引取業者に車両を引き渡し、その際に「引取証明書」を受け取ります。この証明書は、引き渡しが正式に完了したことを証明する書類であり、後の手続きにおいて車両の処理状況を確認するために必要となる場合があるため、適切に保管しましょう。

引取業者は、所有者から引き取った車両を次の工程を担当するフロン回収業者や解体業者に引き継ぎます。また、引取業者は車両の状態を確認し、安全に運搬するのも責任です。こうして、自動車リサイクルが開始します。

2.フロン類の回収

自動車のエアコンに使用されているフロン類は、オゾン層を破壊し、地球温暖化の原因にもなる物質です。このため、フロン類の回収は環境保全において重要な工程とされています。フロン類は、都道府県知事の登録を受けたフロン回収業者や、適切な許可を取得した解体業者によって厳重に回収されます。

回収作業では、フロン類を漏洩させずに回収するための専門的な設備と技術が用いられます。例えば、エアコン内部のフロンガスを特定の装置で抽出し、適切に保管しなければなりません。この工程は、作業者の安全確保にも十分に配慮されています。

フロン類の適切な回収により、オゾン層への影響を最小限に抑えるとともに、温暖化物質の排出を削減。これらの取り組みは、自動車リサイクル法に基づき、持続可能な社会の実現を目指した重要な一環です。環境保護と資源の循環を両立させるため、各工程は慎重に進められています。

3.解体とリサイクル

フロン類の回収が完了した後、解体業者が車両を分解し、再利用可能な部品や素材を取り外します。この過程では、エアバッグやシート、ドア、バンパーなどが効率的に回収され、自動車部品として再利用されるほか、他の製品や用途向けにもリサイクルされています。

その後、車両の骨格部分は破砕業者に引き渡し、専用の破砕機で処理。この工程では、金属などの再資源化可能な素材を選別し、資源として活用します。一方で、シュレッダーダスト(破砕後に残るプラスチックやガラスなどの廃棄物)は熱エネルギーとして使用するか、一部を再生材料として新たな製品に利用します。

このように、自動車リサイクルは資源を有効活用し、環境への負荷を軽減する仕組みが整っています。

自動車リサイクル法の施行による効果

自動車リサイクル法の施行により、廃棄物の不法投棄が大幅に減少し、環境への負荷が軽減されています。この法律ではリサイクル料金制度が導入され、所有者が廃車時に負担するコストが明確化されたことで、処理にかかる負担が軽くなりました。さらに、フロン類やシュレッダーダストといった有害物質の適切な処理が進むとともに、再利用可能な資源を活用する取り組みが加速しています。こうした取り組みは、限りある資源を有効活用し、循環型社会を支える重要な要素です。

 

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